僕のトライ&エラー

肢体不自由の児童生徒が通う特別支援学校の教員である、僕の試行錯誤の記録

聴覚過敏

f:id:shinpeihioki:20190503214152j:plain

写真のものはBOSEノイズキャンセリング・ヘッドフォンです。(しかも買った日の写真)
もう何世代前のものなんでしょう。
でもノイズキャンセリングは充分満足のいくものです。

これは発達障害の子どもの中には聴覚過敏の子どもの多いので、その子たちの間で大流行(?)したものです。
聴覚過敏は自閉症スペクトラムの子どもたちにも少なくないんですが、昔はイヤーマフが多かったです。もちろん今でも使っている子どもはいます。
でもイヤーマフは圧迫感が強いんですよね。そして夏場は汗で耳周りがかぶれたりする子どももいるとのことです。

でもノイズキャンセリング・ヘッドフォンなら締め付けはきつくなく、周囲の雑音を抑えてくれます。しかもキャンセルする周波数が調整してあって、人の声はキャンセル率が低くなっています。つまり雑音は抑えられて、人の声は普通に聴こえるというようになっています。

これを僕の所属する学年の子どもに貸してみました。その子はマイクの音や人が多い場面が苦手な子どもです。イヤーマフは締め付けが強くてダメだったとのことです。

その子は学校の集会でこのノイズキャンセリング・ヘッドフォンを使って、なんとかしのぐことができました。イヤーマフは嫌がっても、このヘッドフォンは自分から貸してと言ったとのことです。

そもそも、そんな苦手な集会に出席する必要があるの?という意見もあるとは思いますが、学校生活では避けられないこともあります。もちろん社会に出てもあるでしょう。そんな時にでもこう言った機器を使うことで、不快な思いを軽減できたらと思います。後日、その子の母親からもすごく感謝されました。

僕は嗅覚が無くなって寂しい思いをしていますが、聴覚過敏な子どもは不快な音で苦しんでいるんですよね。やっぱり感覚は普通が一番なんだな、と思います。でも普通でない感覚の持ち主は何らかの機器を使って、快適に近づけていくことで、みんなとともに過ごせる場面や時間が増えたら、と思います。

誰か嗅覚をブーストするICT機器も開発してくれないかな。