僕のトライ&エラー

肢体不自由の児童生徒が通う特別支援学校の教員である、僕の試行錯誤の記録

視線入力2

今日も校内支援で視線入力の依頼があって、中学部に行ってきました。

 

今回の生徒は昨年の小学部6年生時に担任していた生徒なんですが、昨年度は体調が優れずにほとんどが入院と家庭で生活していた生徒です。昨年度末頃に気管切開を行い、体調が落ち着いてきたのと、4月からの気候はこの生徒にとって過ごしやすいとのことで、出席が安定しているとのことです。

 

実は昨年もこの生徒は視線入力を何度か試しているのですが、好反応の生徒です。もともと、授業で読み聞かせやパネルシアターをすると、集中してみているとのことでした。

 

今日も色々とトラッキングには苦心したのですが、姿勢やモニターの位置や角度でよい感じに設定できたので、試してみました。

EyeMot 3Dのゲームを色々と試してみましたが、これもよい感じで取り組めました。ウェブカメラで教室の様子をモニターに映すと、それも見ている様子なので。GazeControlで確認してみると、この生徒も友だちや先生の様子をよく見ているようです。

ここで試しに担任に絵本を読んでもらい、それをモニターに映して、GazeControlで視線の動きで見ているポイントを確認してみました。すると、場面が変わったり、印象的だったりする場面では、その場面をよく見ていることが見て取れました。

モニター画面には先生の顔と絵本が映るように設定したのですが、先生の顔もちょくちょく見ている様子がわかりました。

やっぱりこの生徒は授業をよく見ているのではないか、と確認できました。

 

その後、同級生の生徒を3人試してみました。

一人目は昨年はあまり視線入力を体験する機会は無かった生徒です。この生徒は1回目は何が起きているのか理解できない様子でしたが、2回目からはやることがわかったみたいで、風船割りゲームをしっかりと取り組めました。この生徒も定型発達の姉妹がいるので、家族でマリオパーティーなどのゲームをする際には同席し、家族とその時間を楽しんでいるとのことでした。やっぱりゲームを間接的にでも体験している子どもは適応が早いのかと感じました。

2人目は6年生卒業まで地域の小学校で過ごし、今年度より本校の中学部に入学してきた中1の生徒です。この子はいまひとつ興味を持てなかったみたいでしたが、取り組める時間も短時間だったこと、比較的、まわりが騒がしかったことで集中できなかったみたいでしたが、風船割りのゲームは少しできていました。飛び込みで体験したので、もうすこし時間や場所の設定を行うと、もう少しうまくできそうな生徒でした。

3人目は前回の記事にも書いた、ゲームの経験のない生徒でした。この生徒はプロンボード立位台で行いました。画面の設定を行うと、画面を見るのは見るのですが、反応はいまいちでした。ウェブカメラで撮影している場面を画面に投影すると、画面よりもその場面にいる先生や友だちの様子を直接見ていました。もっと落ち着いた環境で取り組めると、もっと違った結果になったかもしれません。この生徒は昨年度に担任していたので、認知面や理解力は割と高いと感じられる生徒です。もっと落ち着いた環境で、じっくり取り組んでみたいです。