僕のトライ&エラー

肢体不自由の児童生徒が通う特別支援学校の教員である、僕の試行錯誤の記録

視線入力1

今日の午前中は、校内コーディネーターとしての仕事をしました。
依頼は全て視線入力
高等部から1人、小学部から2人でした。
 
高等部の生徒は今回が2回目。視野が少し狭いので前回は24インチのモニターを使いましたが、今回はパソコンの画面、15〜17インチで試してみようとのことで、実際にやってみました。
スタンドを別に用意して、その生徒の視線が取りやすい位置に設置したのですが、うまくトラッキングができません。
「やっぱり大型のモニターでする?」の問いかけに生徒からのサインは「パソコンで」とのことでした。苦労しましたが、終盤は何とかトラッキングもできて、操作することができました。
お母さんも同席されていたので、色々と懇談すると、お母さんからの希望は「文字入力でこの子の内言語を表現できるようにしてほしい。」とのことでした。
色々とアイディアはあるのですが、少し時間をもらうことなりました。
 
次は小学部5年の児童。この子は内斜視が強く、メガネをかけています。そのメガネを作る際にも、検査等ではうまく測れないというか、緊張しているのか、視線をそらすそうです。今回の視線入力は初めての体験でしたが、画面から目をそらすような動きが多く、なかなかトラッキングができず、苦労しました。
この子も回数を重ねて慣れることを期待して、今後も試していくことになりました。
 
次は小学部2年の児童。この子はお母さんがセラピストとともに視線入力にずっと取り組んできた児童なんですが、最近、ちょっと開きているのかも・・・、というのと、担任団から、この子が授業をどのように観ているかが知りたいとのことで、ウェブカメラを導入して、tobiiのGazeControlでカメラで捉えている画像の中で何を観ているかのアセスメントをしました。この取り組みから、友だちのことをよく観ていることがわかりました。
 
そんなこんなで気がつくと給食の時間でした。
 
最近、視線入力をやっていて気づいたというか、気になったことをひとつ。
 
昨年、担任してした二人の児童に視線入力を試しました。
二人とも認知レベルは同じくらいなのですが、結果は違いました。ひとりはすごく楽しんで取り組みましたが、もうひとりはいまいち楽しむことができませんでした。
このふたりの違いは何だろう?と考えてみたのですが、僕なりの考察ができました。楽しめた児童は脳症で重度化した児童なのですが、その脳症が起きる前はTVゲームをしていたとのことです。楽しめなかった児童はゲームの経験のない児童でした。
 
楽しめなかった児童は、画面の中のものが自分の意思で動かせることが理解できなかったのではないでしょうか。身体の不自由さからできることの少ないその児童は、受け身にならざるを得なかったと思います。なのでTVに映るものを受け入れるしかなく、まさか自分が操作できるとは思ってなかったのではないでしょうか?
 
そんな風に考えるようになってから、視線入力での支援を行う際には、少し視点が変わりました。
 
そしてそのゲームの経験のない児童生徒に、画面の中を操作できることが理解できる取り組みのアイディアも思いついたのですが、それに関してはまた別の機会に書きます。
 
 
 
今日はめっちゃ疲れました。
今日の頑張りはどこかにつながらないかなぁ。