僕のトライ&エラー

肢体不自由の児童生徒が通う特別支援学校の教員である、僕の試行錯誤の記録

劇の背景 その4

今日は学習発表会。うちの学校では紅葉祭と言います。
今年は2年ぶりに背景の代わりとなる大道具を作りました。
超大型絵本です。春夏秋冬の場面転換でページをめくっていきます。
結構大変でした。

その1〜3でもその様子は書いています。

 

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でも、あんまり描き込めなかったので、ちょっと悔いが残ります。
片方のページで模造紙を縦に2枚なので、見開きで縦4枚。4場面、表紙と裏表紙入れると模造紙20枚分です。
今までに描いた背景の中で一番総面積が多いかも?場面も4場面なので下絵も4枚という労力ははっきり言ってしんどかった。
下絵はいつものプロジェクターを使って写しました。

もっと満足いく仕上げにしたかったかったけど、ここまでしか出来ず、本当に悔しい。

 

ということで、全部紹介。

表紙

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これは児童が描きました。教員の支援はあるものの、基本的には児童が描いています。

この表紙はオープニングから春の場面で使用しました。

 

夏・1

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これは春に植えたトマトの種が育ち、トマトを秀威嚇する場面です。

これはほとんど僕が描きました。

 

夏・2

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これは野球をする場面で使いました。

これは僕は下描き以外、一筆も入れていません。左の樹を修正したかったなぁ。

 

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ぐりとぐらはお月見なんてしません。

なので創作です。

中途半端やなぁ、というのが悔いの残るポイントです。4枚中、一番気に入っていないです。

 

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これは一番、手早く仕上げた場面です。もうやる気をかなり失っている頃です。

背景を描きだすと、まわりの教員が「まだ終わらないんですか?」っていう空気を出してくるんですよ。「お前はこれで満足なのか!?」って言いたくなりますが、そこは我慢。でもどんどんその空気を出してきます。どこの学校でも、どの年でもその空気との戦いですが、グッと我慢して、負けます(笑)

 

中途半端に仕上げるほどしんどいことはないです。でも仕事なのである程度は時間との兼ね合いで妥協を迫られます。今年は妥協が早かったかも?

でも良いんです。どうせ3分くらいしか舞台でみせませんから。

 

それに、最終的には処分しますからね。

 

ひとつやり残したこと。

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裏表紙に「おしまい」って文字の書ける児童に書かせることができなかったこと。

そんな時間も作れないのかと残念に思います。



 

ATACカンファレンスでポスター発表をします

なんと、ATACカンファレンスでのポスター発表に採択されました!

atacconf.com

発表内容は以前にもブログで書いたGoogle Formと Googleスプレッドシート を使った発作の記録などに関してです。

 

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 ということで、あまり日がないので、ポスター制作等に追われています。

たくさんの人に見てもらいたいなぁ。

劇の背景 その3

昨日も前回と同じくプロジェクターで投影して、それをなぞるように描いていく方式で授業をしてきました。今回は劇の原作?となった「ぐりとぐらのいちねんかん」の表紙を描きました。

前回までと違うのは、その絵本の表紙をそのまま使ったこと、それから教員が手を加えないことです。

今まで背景と書いてきましたが、実はこれは大道具です。春夏秋冬の4場面があり、それが超大型絵本のように、場面の変わり目とともにページがめくられていく仕掛けで制作中です。

 

まずはプロジェクターで投影して描いたところ

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そしてプロジェクターの映像を外したところ

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ぐりとぐらのシリーズの絵は、輪郭線が描かれているので、初めは後から描き入れようと考えていましたが、この仕上がりを見てやめました。このまま出した方が良いですよね。これが超大型絵本の表紙となります。

 

プロジェクターを使った大型絵画の制作、今後もっと研究してみようかな?例えば動画を投影したらどんな風になるのだろう?

色々試してみたいと考えるようになりました。

関西キッズふくし機器展に行って来ました

昨年から開催されているので今年で2回目。昨年に引き続き行ってきました。

今年も色々な子ども向けの福祉機器が展示、販売されていました。中には自分が使いたいかも?と思える発達障害の子ども向けの財布などもありました。

今回の僕が一番気になったのはCarryLocoとBabyLocoが販売されるとのことでデモ機が展示されていたことでした。

これは車椅子や座位保持椅子に取り付けて、電動で操作ですきようにするユニットです。

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上がBabyloco 下がCarrylocoです。
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BabylocoはDIY版を持っています。それよりはバッテリーが持つみたいです。多分、動力とかもパワーアップしているのでしょう。うまくいけば来年4月に販売されるみたいです。

Carrylocoは販売がもう少し先みたいで、まだまだ改良を重ねているみたいです。

値段はDIY版よりはかなり値段が上がるみたいですが、それでも安い価格かと思います。奨励費とかで買えるようになったら良いなと思います。

他にもプロジェクターで映した映像で遊べる機器とかもありました。

 

これは僕も別のアプリでチャレンジしているのですが、やっぱり既製品は設定も使い勝手も便利そうです。

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そんな中、お!と思ったのがこれです。

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黄色のスポンジのものですが、これなら簡単に補助ベルトが作れるなぁ、と思います。

やっぱりこういう手作りの補助具も良いですね。

 

色んなアイディアもらいました。

また頑張ります。

 

劇の背景 その2

今日は図工系の授業で、学年の児童に背景を書いてもらいました。

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下絵をプロジェクターで映して、それをなぞったり塗ったりして描きます。

これは設定は難しいのですが、設定がぴったり決まるとその後の制作は早いです。この写真はたまたま2枚の台紙が真ん中で離れているので修正しているところです。

 

この授業の難点は暗いところでは絵の具の色を混ぜるなどの工程ができないところです。そうは言っても電気をつけるとプロジェクターの映像が見えなくなります。その切り替えのタイミングはなかなか悩ましいところでした。

 

しかし、児童は思い思いに描きながらもガイドとなるものがあることから、イメージがしやすいみたいで、好きに描いても仕上がりの方向が共有しやすいところです。失敗しても、僕がなんとかするので、そこも問題ありません。

 

これは前任校でもやっていた制作方法ですが、その頃は教員だけで劇の準備として行っていました。児童の授業としてはやってなかったのです。前任校では教員が準備するもの、という意識でやっていました。しかしFacebookInstagramで制作中の写真をアップすると知り合いの教員から「授業でやってみたい!」とコメントをもらい、「あ、そうか、授業でできるよね」と気づいた次第です。前任校はその後に異動したので、結局は授業ではやれずじまいでしたが、今年はやってみました。自分の視野の狭さに反省です。

 

今日、児童が描いてくれたのをなるべく活かして完成させたいと思います。

ちなみにこの方法は戦後、昭和時代の映画の看板を描くときに使われていた手法です。多分、映写機を使ってやっていたんだと思います。現代ならプロジェクターで簡単に取り組めるようになったので、今後もやっていきたいと思います。

劇の背景 その1

今年もいわゆる文化祭が近づいてきました。そして何故だか取り組む劇。それに向けて背景係、細かくいうと大道具の係りになりました。

 

今年の演目は「ぐりとぐらのいちねんかん」とのことで、今年は4枚の背景となる大道具を作ることになりました。一年間がテーマなので、背景は4枚です。

 

今回も毎年の恒例?でプロジェクターを使いました。f:id:shinpeihioki:20191016214857j:image
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下絵をA4に描いて、プロジェクターで台紙に映して描きます。これも寸法をきっちり測って描きました。

プロジェクターで実際の背景の紙に映すんですが、これをきっちり映す設定が難しいです。ても決まると作業が速いです。

 

今年は四季によって背景が違うので4枚ですが、1枚は子どもに描いてもらうので、今日は3枚だけ映して描きました。

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久々に大きな絵を描いて楽しかったです。

作業時間はだいたい1時間半くらいかな?

来週は描き込みます。

 

今の職場は業務用のエアブラシがあるので、思っているより早いかも?

金曜の授業で残りの一枚を描きます。

視線入力3

昨日、今日と視線入力を試してみた子の話です。

 

その子はレット症候群の子どもです。機器をセッティングして、いざやってみるとなかなかうまく視線の反応が取れません。なんでかなぁ?と思っていたら、レット症候群の特徴の一つ、手揉みが視線とセンサーを邪魔しているのがわかりました。手揉みをする両手を座位保持椅子の天板の上で支えて、視線とセンサーを邪魔しないようにするとうまくいきました。

 

その後、風船割ゲームとか色々と試していると、その子の視野は広く、視線はしっかり風船や興味あるものに向いていることがわかりました。しばらく試しながらその子の様子を観察していると、ひとつのことに気づきました。

 

その子は不随意運動があるのですが、その不随意運動が、首の動き、眼球の動きにもあることがわかってきました。そして、その動きから視線を定めて維持することが苦手なことがわかってきました。

 

おそらく興味のあるものを注視することが苦手なのではないか、と考えられるようになりました。興味のあるものに視線を向けても、不随意運動で眼球や身体が動き、どうしても視線が外れてしまうようでした。そのため注視して維持することが難しいのです。

その子は先日10歳になったのですが、10年間、興味のあるものを見続けることがうまくできないのかもしれません。それって、すごく悲しいことですよね。興味があっても見続けることができないんですよ。

その子は授業とかその他の活動の場面でも、ひとつのことを注視し続ける様子はありませんでした。前で説明する先生の様子も見続けていないことから、「あんまり授業に集中することができない子」と捉えていました。しかしそれは自身の障害からくることなんですよね。そう考えると自分のその子への見立ては甘かったなぁ、と反省しました。

 

視線入力、色々と試していますが、気づかなかったことが色々とわかります。今までの視点では気づかなかったことが多いと感じます。

今日は色々と反省しています。